6月9日木花咲耶姫
(新月)
最終話 月と桜と島ん婆と
そうじゃ!そうじゃ!大事なことを忘れるとこじゃった!
この島にな、昔々、桜爺さんがいたんじゃ。
しかも婆さんな。2人ともこの島の山桜が大好きなんじゃ。
老夫婦で、せっせ、せっせと山桜を育て、島中
植えたんじゃ。
種を蒔いて,苗を育て、接ぎ木をして大きくしていくんじゃ!
それは、それは大変なことじゃぞ!
ある日のこと,突然、そらが真っ暗になってしまった。
その場に抱き合って、2人とも、ヘタヘタと座り込んでしもうた。
しばらくするとな!
空の真ん中に、まばゆいばかりの光の柱が、
スルスルと目の前に降りてきたんじゃ。
ガタガタふるえながら、じいーっとっ目を凝らして
見てみるとな!
みるみるうちに、二人の前に、それはそれは,美しい美しい
姫神様が、あらわれたんじゃ!
驚かせてしまいましたね。♡♡
私は木花咲耶姫と言います。
お二人は、この神秘の島にふさわしい山桜を
沢山植えてくれていますね。♡
この島は神の島でもあり、桜は愛と美と浄化のしるしです。
これからも、この島いっぱいに!!そう!!1
桜の中に、島があると人々は、讃えてくれるでしょう
ありがとう ♡♡♡
美しい声が、消えてゆくと同時に空がもとのように
明るくなっていった。
わしもみてたんじゃが、あんなにきれいな姫神さまは
初めてじゃ1!
この島は、桜と神様の島じゃ♡♡♡
善きかな!善きかな!
この老夫婦の山桜は、大谷(おおや)と名付けられている。
白翁に負けず劣らぬ大輪の純白の花じゃ!
それにしても、月の命さまにあの姫神を
見せたかったなあ
なおみ蓮華